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オガワ機工株式会社の「今」を伝えます。
キッザニア福岡・福岡県共催「コスモポリタンキャンパス(福岡テクノロジー人材創生塾)」にて副社長伊藤慎二が登壇しました
2024/11/06
キッザニア福岡と福岡県が共催する中高生向けワークショップ「コスモポリタンキャンパス 福岡テクノロジー人材創生塾2024 未来を拓く宇宙コース」が開催されています。
福岡県内には、モノづくりやデータ活用など宇宙関連でも活躍する企業が存在します。このプログラムでは、最前線で働く専門家や技術者から学び、進路や進学の選択肢を考えるきっかけづくりをサポートしています。
全5回にわたって開催される同プログラムのうち、10月23日に行われた「DAY2 基礎学習②小型衛星技術」では株式会社QPS研究所より代表取締役社長 CEO大西俊輔氏が講師を務められ、同社にお声がけをいただいてオガワ機工株式会社から副社長 伊藤慎二が特別講師として、大西氏と一緒に登壇いたしました。
人工衛星の基礎から最新技術
プログラム前半では、大西氏から人工衛星の種類やそれぞれの特徴について説明がありました。
その中の一つ、地球観測衛星のなかにはレーダーを使用する衛星があり、ここでQPS研究所が開発した小型SAR(合成開口レーダー)衛星「QPS-SAR」について具体的な事例を加えた解説が行われました。
実際にQPS-SARが観測した画像を見て、それがどこかを当てるクイズコーナーでは、地球観測衛星「ひまわり」などの光学(カメラ)衛星による観測写真とは異なるSAR衛星ならではの特徴的な画像に、参加した中高生たちが興味津々な様子で考えを巡らせていたのがとても印象的でした。
九州から広がる宇宙産業の未来
QPS研究所が開発した「QPS-SAR」は、昼夜・天候問わず電波で地球を観測することができる小型衛星で、九州のものづくり企業と連携した開発体制も注目を集めています。
オガワ機工では同プロジェクト開始当初より協力会社の一つとして衛星の構造および機構部の具体化設計と組立・調整を担っており、九州の宇宙産業の発展に貢献してきました。
講演後半ではワークショップを開催
プログラム後半には、参加者が人工衛星の作り方を考えるワークショップが催されました。
ここでは人工衛星が運用を開始するまでの工程が書かれた12枚のカードをチームで協力して正しいと思う順序に並び替えます。
正解発表の際には大西氏と共に当社副社長 伊藤が登壇し、ものづくりのプロフェッショナルの立場から、革新的な構想を現実的な設計・製造へと落とし込んでいく課程について詳しく説明しました。
地上と環境が全く異なる宇宙では、普段の機械製作で使用している材質が使えないことや、地上では常識的な設計が宇宙では通用しないことも多々あります。
設計や材料の選定がいかに重要であるか、そして地上の仕事では直面しない問題と向き合う大変さや、その楽しさを分かりやすく解説しました。
さらに組立の際に気をつけていることやロケット打上げ時の猛烈な振動への耐久試験についても実際のエピソードを交えてお話ししました。
講演終了後の交流
プログラム終了後には、多くの参加者が副社長伊藤のもとを訪れ、質問を投げかけていました。
人工衛星の製作や、宇宙環境での材料の検討、普段のモノづくりにおいて心がけていることなど、熱心に質問する中高生の姿が見られました。
伊藤も一つ一つの質問に丁寧に答え、参加者にとって重要な学びの場となりました。
JAXAでもいい、NASAでもいい、九州でもいい
オガワ機工副社長伊藤は、福岡県久留米・筑後を中心とした、宇宙産業に熱意のある中小企業で構成するモノづくり専門家集団e-SETという団体に2010年ごろから参加しています。
志は「北部九州に宇宙産業の集積地をつくること」です。
e-SETを通じてQPS研究所の「QPS-SAR」プロジェクトに携わらせていただくことが弊社のプライドの一つとなっています。人工衛星の開発はとにかく大変なことの連続ですが、その大変さを上回るやりがいをチームで感じています。
オガワ機工は、今回のプログラムに参加した中高生のみなさんや、いずれ宇宙に興味を持った未来の子どもたちが「JAXAでもいい、NASAでもいい、九州でもいい」と言ってくれるような、そんな世界を目指しています。